サッカーにおける花形のポジションとしてセンターフォワードを挙げる人は多いのではないでしょうか。かつてはセンターフォワードといえばゴールを取ることに特化したポジションであると考えられていた時期もあり、現在でも得点数が評価基準の大きな割合を占めています。 しかしながら、トータルフットボールが世界の潮流となった現代においては、センターフォワードであってもアシストや守備を求められる場面が増えており、そういった能力に長けた選手が重宝されるようになってきています。
このようにセンターフォワードに得点力以外の能力が求められるようになった背景には、オランダとスペインのサッカーの躍進があります。1990年代にトータルフットボールを提唱したのがオランダのヨハン・クライフで、彼が率いたスペインのクラブチームであるバルセロナが2000年代に入って数々のトロフィーを獲得したことで、その戦術の有効性が決定的なものとなりました。 その集大成となったのが、バルセロナの系譜を受け継いだスペイン代表で、2008年と2012年のユーロに加え、2010年のワールドカップをも制したことで、フォワードを含むすべての選手がアシストや守備に貢献することが求められるようになったのです。